主にイ ベントや野外の大型ディスプレイとして利用されるLEDビジョン。
人々の目を引くための宣伝や広告用に導入を検討している企業もあるでしょう。
しかし、LEDビジョンは決して安価ではありません。したがって事前にどれほど長持ちするかは知っておくべきと言えます。
また少しでも長持ちさせるコツも解説しますので、担当者の方は参考にLEDビジョンを選択してください。
LEDビジョンとは?
LEDビジョンとは、LED(発光ダイオード)を使用した大型のLEDディスプレイのことを指します。
赤・青・緑の3色のダイオードを使用し、タイル状に組み合わせを作成。
タイルとの境目につなぎ目が無く、大型ディスプレイとしてストレスなく見られるのも特徴の一つです。
屋内はもちろん屋外でも幅広く活用されているデジタルサイネージです。
LEDビジョンの特徴
LEDビジョンには、他のデジタルサイネージにはない特徴があります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
画面が明るい
LEDビジョンは、一般的なテレビ・パソコンモニターに比べ5倍以上の超高輝度な明るさを実現できます。
一般的なテレビ・パソコンモニターは400cd(カンデラ:明るさの単位)ですが、LEDビジョンは約2,000cd以上。
明るさの理由は内蔵されている赤・緑・青のLEDです。バックライトではなくLEDが直接光ることで明るさの確保に成功しています。
したがって、屋内はもちろん屋外でも視認性を担保したうえでの活用が可能となりました。
サイズが大きい
LEDビジョンは非常にサイズが大きい点が特徴。最大で300インチを超える種類もあります。
一般的なテレビのインチ数は24~32インチ。大きさは32インチでW708×H812.8です。
一方300インチともなればW6461×H4038にもなります。500インチなど更に大きなLEDビジョンも使用されることも。
実際駅やショッピングモールなどの大型電子看板がLEDビジョンであることは多いです。
特に屋外ではある程度のサイズがなければ距離の遠い人に映像内容を見せられないため、多くの場所で重宝されています。
自由に組み合わせることができる
LEDビジョンはタイル状になっており、自由に組み合わせて使用することが可能です。
また液晶モニターにはベゼルで、つなぎ目があります。
一方LEDビジョンにベゼルは無く、全ての画面をつなぎ目無くつなげることが可能です。
したがって、つなぎ方次第でサイズ調整が自由なのがLEDビジョンの大きな特徴の一つです。
屋内外で使える
LEDビジョンは屋内外のどちらでも使用可能な点も特徴の一つです。
屋内では遠くからでもくっきりと映し出されるものを視認でき、屋外でも太陽光に視認性が妨害されることはありません。
理由としてサイズ変更が自由に可能なタイル状であることと、LED自体が発光し約2,000cd以上の明るさで光る点があります。
実際に屋内だとアパレルショップやカフェ、屋外では展示会やイベントに多く活用されているのです。
LEDビジョンの耐用年数
LEDビジョンを使用する場合、無視できないのは耐用年数です。
LEDビジョンも機械です。当然長く使用すればいずれは寿命を迎えます。
たとえば屋外での使用中に突然寿命を迎えて映像が真っ暗になってしまっては取り返しがつきません。
そこでここからは、LEDビジョンの寿命について、2種類の寿命に分けて解説します。
それぞれの寿命を把握し、定期的なメンテナンスや交換を行うことで、上記のようなトラブルを未然に防ぎましょう。
法定耐用年数
LEDビジョンには、法定耐用年数、つまり法律で決められた「資産価値」としての寿命が設定されています。
LEDビジョンの法定耐用年数は3年です。持ち運びできるLEDビジョンも同様に3年です。しかし、これはあくまで資産価値としての耐用年数であるため、たとえ3年が経過しても問題なく使えるケースもあります。
また3年を過ぎても減価償却資産はそのまま使用可能です。
物的耐用年数
物的耐用年数とは、実際にLEDビジョンを使用できる年数のことを指します。
LEDビジョンの物的耐用年数は5年~6年とされていますが、状態が良ければ7年程使用し続けることも可能です。
またLEDの寿命は、24時間使い続けたとすると4~5万時間、ディスプレイ・コンテンツを格納するセットトップボックスは5年が耐用年数と言われています。
LEDビジョンの耐用年数に影響を与える要因
LEDビジョンの耐用年数に影響を与える要因として、具体的には以下の要素が挙げられます。
- 温度:高温はLEDの劣化の主要因。低温もまた寿命を早める可能性があります。
- 湿度:湿度が高い場合、内部に水分が侵入し腐食・ショートを引き起こす可能性があります。
- 直射日光:直射日光はLEDの素材が劣化し、輝度低下が加速する可能性があります。
- 汚染:汚染は主に煙・ホコリ・化学物質が原因。メンテナンスの頻度が増加しパフォーマンスの低下が起きる可能性があります。
上記に該当するような環境で長時間LEDビジョンを使用する場合、上で解説した耐用年数よりも早いタイミングで寿命を迎えてしまう可能性もあります。
LEDビジョンを長持ちさせるコツ
LEDビジョンは、法定耐用年数が3年で物的耐用年数は5年~6年なのは先程解説したとおりです。
これも前述のとおりですが、法定耐用年数は法律で決められた資産価値としての寿命です。
法定耐用年数は変更できませんが、物的耐用年数は方法次第で長持ちさせることが可能となります。
本章ではその具体的な方法を提示しますので、詳しく見ていきましょう。
コツ①定期的にメンテナンスを実施する
LEDビジョンを長持ちさせるには、まず定期的なメンテナンスが不可欠であることは言うまでもありません。
定期的にメンテナンスを行い、劣化や不具合が見られる箇所を早期に発見します。
具体的には以下のようなメンテナンス内容が求められます。
- 電力供給の修理・改善
- コンバータの修理・改善
- キャビネットの交換・改善
- モジュールの交換・改善
- 鉄骨の交換・改善
定期的なメンテナンスを行ったことで、LEDビジョンを10年間使用できたという例もあります。
基本的には、専門の業者に依頼してメンテナンスを行いましょう。
コツ②設置場所に合わせて対策を講じる
LEDビジョンは、使用される環境によって耐用年数よりも早く寿命を迎えてしまう可能性があることをお伝えしました。
具体的には温度・湿度・直射日光・汚染の高さや強さが一定のレベルを超えると劣化が早まるおそれがあります。
LEDビジョンにとって劣悪な環境で使用することが予め分かっている場合は、定期的に清掃を行ったり、なるべく直射日光が当たらない場所に設置したりするなど、対策を講じましょう。
コツ③温度を適切に管理する
LEDビジョンは、高温・低温に長期間さらされることで寿命が早まります。
特に温度の高い状態では、LEDビジョンは熱に非常に弱い性質があり、低温より劣化を速めてしまいます。
またLEDビジョンには耐熱性に優れた素材が使用されているものや、ある程度熱への耐性がある種類と、冷却ファンがついている種類があります。
一方で、熱対策があまりされていなLEDビジョンも存在します。自社で使うものがどのタイプのものかを事前に調べ、熱対策が施されていないものを使用する場合は、高温となる場所に長時間設置しないよう注意しましょう。
コツ④強い衝撃を避ける
他の電子機器と同じく、LEDビジョンも強い衝撃を受けると破損してしまう可能性があります。
仮に破損した場合、場所によっては取り換えに時間や労力・金銭的コストがかかることは容易に想像できるでしょう。
無駄な衝撃を加えないよう取り扱いには十分注意し、外的な衝撃が加わりそうな場所にはLEDビジョンを設置しないようにしましょう。
また、中には耐衝撃に強い素材が使われたモデルもあるため、必要に応じてそういったものの導入も検討してみてください。
LEDビジョンを導入する際に業者を選ぶポイント
LEDビジョンの導入は、専門の業者に依頼することが一般的です。
本章では3つのポイントから、LEDビジョンを導入する際に業者を選ぶポイントを見ていきましょう。
ポイント①相見積もりをとる
LEDビジョンの導入において、かかるコストは依頼する業者により異なることが一般的です。
業者から提示される金額が適正か否かを判断するためにも、必ず複数の業者から相見積もりを取り、自社にとっての判断材料を増やしましょう。
見積もりの内容について気になることが遠慮なく質問し、不当に高額であったり、的を得た回答が得られなかったりした場合には、他の業者を頼るほうが無難と言えます。
またその際には詳しい内訳も聞き、高額であれば別の業者から導入を考えるのが手です。
ポイント②保証期間が設けられているかを確認する
LEDビジョン導入の際には保証期間、すなわち期間中のトラブルに対する保証があるか調べておきましょう。
保証期間とは、期間中に起こった機械トラブル・動作不良を無償で解決してくれる期間の事です。
したがって、保証期間の制度を設けている業者に依頼することを前提に、保証期間や保証内容も細かく見定めましょう。
ポイント③保険の取り扱いがあるかをチェックする
LEDビジョン導入の際、依頼する業者に保険の取り扱いがあるかもチェックしましょう。
基本的には期間内に異常が起こった際に、無償で部品交換を行ってもらえるメーカー保証が1年~3年程ついています。
また他に延長保証や動産保険といったものもあり、必要に応じて加入することが推奨されているのです。
LEDビジョンを長期間使用すればするほど動作不良などのトラブルは起こり得るものです。トラブルも事前に想定し、保険の取り扱いがある業者を選定するようにしてください。
LEDビジョンは耐用年数と長持ちさせるコツを理解して選ぶ
LEDビジョンは、物自体の寿命である物的耐用年数が5~6年と言われています。
しかし、LEDビジョンは定期的なメンテナンスをすることで寿命を延ばすことが可能であることをお伝えしました。
保険をかけることで、もしものトラブルにも対応可能である旨も解説したとおりです。
レンタルビジョンなら、低価格で1日からLEDビジョンをレンタルする事が可能です。
LEDビジョンの活用を検討されている企業様は、ぜひお気軽にご連絡ください。
<役職>キノテック株式会社 代表取締役
<経歴> 大学卒業後、三菱電機子会社でLEDビジョンのレンタル・運営業務に従事。 その後、技術取締役として映像技術会社を経て2020年にキノテック株式会社設立。