イベントや広告で目を引くLEDビジョン。見た目の派手さから既製品を購入するしかないと思われがちですが、実は作り方や注意点を理解しておけば、自作が可能です。
この記事では、LEDビジョンを自作するために必要な機材や部品、具体的な手順、さらには自作する際の注意点を詳しく解説します。また、自作する自信がない場合の対処法もご紹介します。
LEDビジョンの自作に興味がある方や、イベントの演出を自身で作り上げたい方は、ぜひ参考にしてください。

LEDビジョンは自作できるのか
LEDビジョンは、鮮やかな映像や文字の表示により情報を伝えるツールとして、多くのイベントや広告で活用されています。
近年、技術の進歩により、個人や中小企業でもLEDビジョンを自作できる環境が整ってきました。
自作を検討する大きな理由は、コスト削減のためです。既製品は高額な予算を要しますが、自作すれば費用を大幅に抑えられるため、経済的な選択肢として注目されています。
また、既製品では対応しきれない機能を追加できるため、オリジナリティを重視する場合や特定の要件を持つプロジェクトにとっても魅力的な選択肢です。
ただし、自作には必要な機材や部品の選定、専門知識や技術が求められます。正確に組み立てるためには入念な計画が不可欠で、これを怠ると、思わぬ困難に直面することも。よって、初めて挑戦する場合は多くの時間と労力を覚悟する必要があります。
LEDビジョンを構成する機材
LEDビジョンを自作するためには、パフォーマンスや見た目に関わる3つの機材選定が重要です。
- ディスプレイ
- 映像再生機器
- 設置器具
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ディスプレイ
ディスプレイは、LEDビジョンの中心となる部分です。ディスプレイ選びでは、使用する画面のサイズ、解像度、および向き(横向きまたは縦向き)を決定する必要があります。
たとえば、動画をおもに流す場合は横向きの大型ディスプレイが適していますが、メニュー表示や案内板は多くの場合、縦向きで使用されています。
また、屋外で使用する場合は、高輝度で防水機能のあるディスプレイ選定が重要です。さらに、長時間の使用に耐える品質のディスプレイがよいでしょう。
関連記事:LEDビジョンの解像度とは?計算方法や選び方を解説
映像再生機器
映像再生機器は、LEDビジョンに表示するコンテンツを管理し再生する役割を果たします。最近のディスプレイには、USBドライブから直接メディアを再生できる、組み込みメディアプレイヤーが搭載されているものもあります。
外部デバイスを使用する場合は、単純なUSBメディアプレイヤーや、ネットワーク接続機能を持つスマートデバイスの選択も可能です。また、直感的なユーザーインターフェースで、遠隔からコンテンツを更新できるモデルを選ぶと便利です。
設置器具
設置器具は、ディスプレイを安全かつ安定して設置するために不可欠です。たとえば、卓上型の小さなディスプレイにはシンプルなスタンドが適しています。一方、大型ディスプレイや公共の場所での使用には、堅牢で安全性の高いフロアスタンドや壁掛けブラケットが必要です。
また、ディスプレイの移動が予想される場合は、キャスター付きのスタンドをおすすめします。設置器具の選定には、耐久性と安全性を最優先に考え、ディスプレイのスタイルに合ったものを選びましょう。
LEDビジョンを自作する際に必要な部品
高品質なLEDビジョンの自作には、部品を適切に選定し、正確に組み立てる必要があります。ここでは、自作に欠かせない5つの部品を紹介します。
- LEDパネル
- LEDドライバーボード
- 電源ユニット
- 制御用コンピューター
- 配線・コネクタ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
LEDパネル
LEDパネルは、LEDビジョンの基本的な構成要素で、無数のLEDランプが規則的に配置されたモジュールです。LEDパネルの仕様次第で、映像の解像度と明るさが決まります。一般的には、SMDタイプのRGB LEDを用いて、鮮やかな色彩と高い視認性を実現します。
視聴距離に応じて、パネルのピッチ(LED間隔)を選ぶことが重要です。たとえば、近距離の場合は細かいピッチが、遠距離の場合は粗いピッチが適しています。
LEDドライバーボード
LEDドライバーボードは、LEDパネルの動作を制御するための基板です。制御用コンピューターから送られる信号を受け取り、各LEDの発光を調整します。LEDの数が多いほど、より高性能なドライバーボードが必要です。
また、ドライバーボードの性能が低いと、信号の遅延や不正確な発光が生じ、映像の滑らかさや色の再現性に悪影響を及ぼすため注意が必要です。高性能なドライバーボードを選ぶことで、リアルタイムでの映像処理が実現し、鮮明で滑らかな映像を表示できます。
さらに、ドライバーボードはLEDビジョン全体の耐久性にも関わります。たとえば、適切な冷却システムが備わっていないと、長時間の使用で過熱が原因となり、部品が劣化したり故障したりすることも。LEDビジョンを長く使えない原因となるうえに、メンテナンスコストが増大するため、慎重に選びましょう。
電源ユニット
電源ユニットは、LEDビジョンに必要な電力を安定して供給する装置です。LEDの数や消費電力に応じた適切な容量の電源ユニットを選ぶことが重要です。たとえば、大型のLEDビジョンの場合、複数の電源ユニットが必要なケースがあります。
また、過電流や短絡はLEDビジョンの部品に過度な負荷をかけ、損傷や故障を引き起こす原因となります。安定した動作と長寿命を確保するため、過電流や短絡の保護機能を備えた電源ユニットを選択しましょう。
制御用コンピューター
制御用コンピューター(コントローラー)は、LEDビジョンの表示内容を管理するための中心的な装置です。表示する映像や情報を処理し、ドライバーボードに信号を送ります。
専用コントローラー、またはパソコンと専用ソフトウェアを組み合わせた選択肢があります。動画やアニメーションを表示する場合は、高性能なコントローラーが必要なため、用途に応じて選定しましょう。
配線・コネクタ
LEDビジョンの各部品を接続するためには、適切な配線とコネクタが欠かせません。
たとえば、電源供給と信号伝送用のケーブルは、電流量に応じた適切な太さを選びます。また、信号伝送にはノイズに強い高速ケーブルを使用します。コネクタは確実に接続でき、簡単に取り外せるものを選びましょう。
さらに、屋外で使用する場合は防水仕様のものを検討してください。
LEDビジョンを自作する際の手順
LEDビジョンを自作するためには、注意すべきポイントを押さえながら進めることが重要です。ここでは、6つの手順を説明します。
- 計画を立てる
- 部品を用意する
- フレームを作成する
- 部品を取り付ける
- ソフトウェアをセットアップする
- 動作確認を行う
それぞれ順を追って見ていきましょう。
計画を立てる
まず、LEDビジョンのサイズや解像度、設置場所を決定し、予算を設定します。以下の手順で大まかな予算を決めましょう。
<大まかな予算の設定>
- 基本コストの見積もり
- LEDパネル、ドライバーボード、電源ユニット、制御用コンピューターなどの主要部品の価格をリサーチする
- それぞれの部品の価格をリストアップし、合計金額を算出する
- 予備費の設定
計画外の出費やトラブルに備えて、総予算の10〜20%程度を予備費として設定する
- 大まかな予算の確定
基本コスト、予備費を合計し、全体予算を大まかに決める
次に、必要な部品をリストアップし、全体構造の設計図を作成します。この際、設置場所の環境(屋内外、電源の有無、周囲の明るさなど)も考慮してください。また、追加でかかる細かいコストも算出します。
<予算の確定>
- 追加コストの見積もり
- フレーム材料や設置器具、配線・コネクタなどの価格を含める
- 工具や消耗品、必要なソフトウェアのライセンス費用を算出する
- 予算の確定
大まかな予算、追加コストを合計し、予算を確定します
確定した予算をもとに、製造スケジュールも調整しましょう。
関連記事:LEDビジョンはどこで使われている?おもな導入事例を紹介
部品を用意する
次に、計画に基づいて必要な部品を揃えます。LEDパネル、ドライバーボード、電源ユニットなどの主要部品は、互換性の確認が重要です。
<互換性の確認方法>
- 仕様の確認:各部品の仕様書を確認し、電圧や電流、信号形式などが一致しているか確認する
- メーカーの推奨:メーカーが提供する互換性のある部品リストを参照する
- レビューの参照:ほかのユーザーのレビューや使用事例を参考にする
また、フレーム材料や工具も揃えておきます。すべての部品が揃ったら、設計図と照らし合わせて不足がないか確認してください。
とくに、部品のサイズや取り付け位置が設計図と一致しているか確認しましょう。部品は余裕を持って発注し、予備の部品を用意しておくと安心です。
フレームを作成する
LEDビジョンのフレームは、アルミニウムやスチールの金属、木材などで作成します。LEDパネルやその他の部品の重さに耐える強度があることが重要です。フレームに使用する材料の強度特性を確認し、必要な荷重を支えられるかチェックしましょう。また、フレームにかかる総荷重を計算し、選定した材料がその荷重に耐えられるかを判断するのもおすすめです。
さらに、メンテナンスがしやすいように、部品の着脱が簡単な構造にすることもポイントです。たとえば、ネジやクリップを使用して部品を固定し、工具を使わずに取り外しができるように工夫します。
屋外用の場合は、防水・防塵対策も忘れてはなりません。防水塗料を塗布したり、防水シールを使用したりすることで、フレームの耐久性を上げられます。
部品を取り付ける
LEDパネルの位置ズレや隙間がないように固定し、放熱対策を施しながらドライバーボードと電源ユニットを取り付けます。制御用コンピューターも適切な位置に設置してください。
配線を行い、整理整頓してショートや断線を防ぐ工夫も大切です。すべての部品が正しく取り付けられているか、最終確認も忘れずにしましょう。
ソフトウェアをセットアップする
専用のソフトウェアを制御用コンピューターにインストールした後、LEDビジョンの基本設定を行います。手順を以下にまとめました。
<基本設定手順>
- 映像の鮮明さの調整
解像度や色深度、輝度の調整を行い、表示品質を最適化する
- コンテンツの再生方法・スケジュールの設定
- ループ再生、特定の時間に特定のコンテンツを表示するタイムスケジュール再生を設定する
- イベントや広告の内容に合わせて、効果的な再生方法を選定する
- ネットワーク制御
遠隔からの操作やコンテンツの更新が必要な場合、IPアドレスを設定する
ネットワーク設定を正しく行うことで、複数のLEDビジョンを一元管理できます。運用の効率化も考慮したうえで、セットアップしましょう。
動作確認を行う
LEDビジョンの電源を投入して起動を確認し、テスト映像ですべてのLEDが正常に点灯するか、色の再現性や明るさをチェックします。問題があれば調整や修理を行い、長時間の運転で安定性も確認します。
また、実際の使用環境でもテストし、周囲の明るさや視聴距離に合わせた最適な設定を見つけましょう。
LEDビジョンを自作する際のポイント
LEDビジョンを自作するには、さまざまな面で工夫が必要です。ここでは、高品質で安全なLEDビジョンを作るための3つのポイントを紹介します。
- コストを抑える
- 熱対策を行う
- 安全性を確保する
それぞれ見ていきましょう。
コストを抑える
高品質な中古部品やリファービッシュ品の活用により、費用を大幅に削減できます。
また、必要な機能を絞り込み、オーバースペックな部品を避けることも重要です。複数の業者から見積もりを取り、もっともコストパフォーマンスの高い部品を選びましょう。
さらに、DIYと外注をうまく組み合わせることで、よりコストを抑えられます。たとえば、フレームの組み立てや配線の取り付けはDIYで行い、専門的な知識が必要なソフトウェアのセットアップやドライバーボードの設定は外注する、という方法があります。
このように、時間や技術が不足している部分はプロに任せることで、全体コストの効果的な管理が可能です。
熱対策を行う
LEDや各部品は動作中に熱を発生するため、熱対策は欠かせません。効果的に冷却しないと、部品の寿命が短くなり、性能も低下します。
放熱性の高い材料を使用し、放熱フィンや冷却ファンを取り付けることで、効率的に熱を逃がすことが可能です。
また、部品の配置を工夫し、空気の流れをよくすることで、熱がこもらないようにしましょう。
屋外設置の場合は、直射日光を避ける工夫も必要です。
安全性を確保する
電気的な安全を確保するため、適切な絶縁処理や接地を行いましょう。火災リスクを減らすために、難燃性の材料の使用が推奨されます。
また、屋外設置の場合はフレームの強度を確保し、転倒防止策を講じることで、物理的な安全性も向上します。
さらに、定期的に点検し、劣化や故障の兆候を早期に発見して対処することも大切です。
LEDビジョンを自作する自信がない場合の対処法
LEDビジョンを自作するには、技術的な知識やスキルが必要なため、自信がない場合はほかの選択肢の検討が重要です。そこで、手軽で効果的な対処法の1つが、レンタルサービスを利用することです。
レンタルなら、初期投資を抑えつつ、最新の技術を採り入れたLEDビジョンを使用できます。とくにイベントや短期間のプロジェクトでは、購入よりもレンタルのほうがコストパフォーマンスに優れています。また、レンタルサービスでは設置やメンテナンスもサポートしてくれるため、自作に伴う手間やリスクの回避が可能です。
たとえば、キノテックでは、スポーツイベントやプロモーション、パブリックビューイングなどで大活躍する高精細LEDビジョンのレンタルサービスを提供しています。最大360インチまでの大型LEDビジョンを提供しており、屋内外問わずさまざまなイベントに対応可能です。
自作に自信がない場合や、手間をかけずに高品質なLEDビジョンを使用したい場合は、ぜひ、キノテックのレンタルサービスを検討してみてください。
参考|LEDビジョン激安レンタルなら レンタルビジョン.com
まとめ
この記事では、LEDビジョンを自作するための基本的な情報から、必要な部品、具体的な手順を詳しく解説しました。重要なポイントを押さえることで、高品質で安全なLEDビジョンを作成できます。
しかし、状況によっては自作よりもレンタルサービスを利用するのも1つの選択肢です。キノテックでは、さまざまな用途に応じた高精細LEDビジョンのレンタルを行っており、イベントの成功を手厚くサポートします。
LEDビジョンの活用を検討中の方は、本記事で紹介した選択肢のなかから最適な方法を選んでください。また、キノテックのレンタルサービスの詳細は、こちらよりお問い合わせください。

<役職>キノテック株式会社 代表取締役
<経歴> 大学卒業後、三菱電機子会社でLEDビジョンのレンタル・運営業務に従事。 その後、技術取締役として映像技術会社を経て2020年にキノテック株式会社設立。
