イベントの演出方法として、LEDビジョンの導入を検討されている担当者の方も多いのではないでしょうか?大型スクリーンによる迫力ある映像演出は、来場者に強い印象を与えます。一方で、価格や設営方法、ほかの表示装置との違いなど、導入前に把握しておくのが賢明です。

本記事では、LEDビジョンの基本的な仕組みから、SMD・GOB・COBといった各モデルの特徴、具体的な活用事例を解説します。イベントに最適なLEDビジョンの選定にお役立てください。

LEDビジョンとは

LEDビジョンとは、赤・緑・青の3色のLED(発光ダイオード)を組み合わせて映像を表示する大型ディスプレイ装置です。複数のLEDパネルをタイル状に配置することで、会場の規模に合わせた画面サイズを実現。屋外の明るい環境でも鮮明な映像を表示できるため、野外イベントやスポーツ会場、商業施設などで広く活用されています。

LEDビジョンは液晶ディスプレイに比べ、1,000~1万cd/㎡超という高輝度製品が多く、直射日光下での高い視認性が特徴です。設営の柔軟性と演出効果の高さから、コンサートやフェスティバル、企業イベントなどで重要な演出機材となっています。

関連記事:3DのLEDビジョンについて詳しく解説!導入の注意点も

LEDビジョンの仕組み

LEDビジョンは、無数の小さなLED素子が規則正しく配置された構造です。各LED素子は赤・緑・青の3原色を発光し、これらの組み合わせと明るさの調整によってフルカラーの映像を表現します。

映像信号は、コントローラーと呼ばれる制御装置で処理され、各LEDの点灯パターンに変換されます。この仕組みにより、動画や静止画、テキストなどさまざまなコンテンツを表示可能です。ピクセルピッチ(LED間の距離)によって解像度が決まり、ピッチが狭いほど高精細な映像を実現できます。イベント会場の視聴距離に応じて、最適なピッチを選択することが大切です。

LEDビジョンのモデル

LEDビジョンには、LED素子の保護方法や構造の違いによって、いくつかのモデルが存在します。それぞれ画質や耐久性が異なり、適した用途や設置環境が変わってきます。製品を選ぶ際は、これらの特性を理解しなければいけません。

ここでは、以下3つのモデルを解説します。

  • SMDモデル
  • GOBモデル
  • COBモデル

それぞれ見ていきましょう。

SMDモデル

現在広く普及しているLEDビジョンのタイプです。1つの素子に赤・緑・青のLEDチップが内蔵されており、基板上に直接実装される構造です。ピクセルピッチは製品によって異なり、近距離提示に適しています。より高い耐久性や防水・防塵性が求められる環境では、GOBモデルやCOBモデルが検討されます。

ただし、LED素子が露出しているため、物理的な衝撃には注意が必要です。イベント会場では、観客が触れない高さに設置するか、保護フェンスを設けるなどの対策を講じるのがおすすめです。

GOBモデル

SMDモデルの表面に、特殊な樹脂コーティングを施したタイプです。このコーティングにより、耐衝撃性・表面防水性・防塵性が大幅に向上しています。

そのため、人が触れる可能性のある低い位置への設置や、雨天時の屋外イベントでも安心して使用できます。LED素子の保護により、搬入・搬出時の破損リスクも軽減されるため、頻繁に移動するイベント用途にも適しているといえるでしょう。

COBモデル

LEDチップを基板に直接実装し、表面を透明樹脂で覆った最新技術のタイプです。SMDモデルと比較して高い耐衝撃性を実現しています。超高精細なピッチでの製造が可能で、0.9mm以下の極小ピッチにも対応できます。また、表面が滑らかで保護されている構造により、長期間美しい映像品質を維持しやすいのも大きな特徴です。

高級感のある企業イベントや、近距離での視聴が想定される展示会などに最適です。初期投資は高額になりますが、映像品質と信頼性を最優先する場合には、COBモデルが最良の選択となります。

LEDビジョンの活用事例

LEDビジョンは、その高い視認性と演出効果から、さまざまなイベントシーンで活用されています。音楽フェスティバルでは、ステージバックの巨大スクリーンとして、アーティストの表情や演出映像を会場全体に届ける役割を果たします。

スポーツイベントでは、試合の実況中継やリプレイ映像、スコア表示などに使用され、観客の興奮を高める要素といえるでしょう。企業イベントにおいても、プレゼンテーション資料の表示や、ブランドイメージを演出する映像コンテンツの放映に活用されています。屋外の展示会や物産展では、遠方からでも目立つ広告媒体として機能し、集客効果を大幅に向上させる事例も増えています。

関連記事:LEDビジョンはどこで使われている?おもな導入事例を紹介

LEDビジョンとそのほかのディスプレイの違い

LEDビジョンの導入を検討する際、液晶モニターと何が違うのかといった疑問を持つ方も多いでしょう。また、「デジタルサイネージ」という言葉との関係性も分かりにくいかもしれません。

ここでは、代表的な2つの表示装置との違いを説明します。

  • 液晶ディスプレイとの違い
  • デジタルサイネージとの違い

詳しく見ていきましょう。

液晶ディスプレイとの違い

LEDビジョンと液晶ディスプレイの最大の違いは、発光方式にあります。LEDビジョンは各LED素子が自ら発光するのに対し、液晶ディスプレイはバックライトの光を液晶で制御する仕組みです。この違いにより、LEDビジョンは液晶ディスプレイよりもはるかに高い輝度を実現し、屋外でも鮮明な映像を表示できます。

一方、液晶ディスプレイは近距離での表示や詳細な情報表示に適しており、屋内の小規模イベントなどで使用される場合があります。しかし、近年では超高精細なLEDビジョンも同様に近距離での高精細表示が可能です。

デジタルサイネージとの違い

デジタルサイネージは、電子看板全般を指す広い概念であり、LEDビジョンはその一種という位置づけです。デジタルサイネージには、多くの場合液晶ディスプレイや有機ELディスプレイが使用されます。

LEDビジョンは、デジタルサイネージの中でもとくに大型化と高輝度化に特化した機器といえます。イベント会場での使用を考えると、遠距離からの視認性と屋外での使用に耐える性能が求められるため、LEDビジョンが選ばれることが多いです。

LEDビジョンの5つのメリット

LEDビジョンを導入することで、従来の映像装置では難しかった、多くの利点を得られます。イベントや広告の効果を最大化するために、その強みを理解しておきましょう。製品の優れた特性を知ることで、より具体的な活用イメージが湧いてきます。

ここでは、LEDビジョンが持つ5つのメリットを紹介します。

  • メリット①映像が鮮明で明るい
  • メリット②カスタマイズ性が高い
  • メリット③防塵・防水設計で設置場所を選ばない
  • メリット④消費電力が少ない
  • メリット⑤耐久性が高い

それぞれ見ていきましょう。

メリット①映像が鮮明で明るい

LEDビジョンの最大の特徴は、圧倒的な輝度による鮮明な映像表現です。多くの液晶ディスプレイが200~600cd/㎡程度、屋外用高輝度液晶は3,000cd/㎡以上に対応しています。LEDビジョンは1,000~10,000cd/㎡超まで対応製品があり、高輝度です。

この明るさにより、直射日光が当たる屋外会場でも映像が見えるため、日中の野外フェスやスポーツイベントでも問題なく使用可能です。また、コントラスト比も高く、黒の締まりがよいため、映像にメリハリが生まれ、遠方の観客にも鮮明な映像を届けられます。天候や時間帯を気にせず企画できるため、スケジュールの自由度が大幅に向上します。

メリット②カスタマイズ性が高い

LEDビジョンは、パネルを組み合わせることで、会場に合わせた自由なサイズと形状を実現できます。正方形や長方形だけでなく、L字型や円形・波型など、クリエイティブな形状も可能です。

イベントの規模に応じて、50~500インチ以上まで、必要なサイズを1枚単位で調整できるため、予算と効果のバランスを取りやすいのも大きな利点です。また、設置後もパネルの追加や配置変更が可能なので、リピートイベントでの演出変更にも柔軟に対応できます。この高いカスタマイズ性により、会場の制約を受けにくく、クライアントの要望に応じた独創的な演出を提案できます。

メリット③防塵・防水設計で設置場所を選ばない

多くのLEDビジョンは、IP65相当の防塵・防水性能を備えており、屋外での使用に適しています。突然の雨や強風、砂埃などの悪条件下でも、安定した映像表示を維持できます。

この耐環境性能により、ビーチイベントや野外コンサート、街頭イベントなど、従来は映像演出が困難だった場所でも活用できるようになりました。機材の故障リスクが低いため、イベント中止や機材交換による追加コストの心配も軽減されます。屋外用は耐環境性能に優れる一方、屋内用はより近距離での視認に適した設計であり、展示会場やコンベンションセンターなど、さまざまな環境で安心して使用できます。

メリット④消費電力が少ない

LEDは発光効率が高いため、高輝度でありながら消費電力が比較的少ない点が魅力です 。製品の仕様や輝度設定、表示するコンテンツによって消費電力は大きく変動。しかし 、長時間のイベント運用におけるランニングコストを抑えるうえで、経済的な選択肢となり得ます。   

これにより、発電機の容量を抑えられるため、機材のレンタル費用や燃料費の削減にもつながります。長時間のイベントでは、電気代の差が大きくなるため、ランニングコストの観点からもLEDビジョンは経済的な選択といえるでしょう。

メリット⑤耐久性が高い

LEDビジョンの物理的寿命は、設置環境や稼働状況にも左右されます。適切なメンテナンスを行えば10年以上使用できるケースもあります。また、部分的な故障が発生しても、該当するLEDモジュールのみを交換すれば済むため、全体交換の必要がありません。

振動や衝撃に強い設計のモデルもあり、とくにGOBやCOBモデルはLED素子が保護されているため、高い耐久性を誇ります。これによって、頻繁にイベントで使用しても性能劣化が少なく、長期的な投資対効果に優れた機材といえます。

LEDビジョンの3つのデメリット

多くのメリットがある一方、LEDビジョンの導入には注意すべき点も存在します。メリットとデメリットの両方を正しく理解し、後悔のない選択をすることが大切です。課題を事前に知ることで、適切な対策を講じられます。

以下に、おもな3つのデメリットを紹介します。

  • デメリット①故障のおそれがある
  • デメリット②利用対象エリアが限定される場合がある
  • デメリット③保証期間が短い場合がある

詳しく見ていきましょう。

デメリット①故障のおそれがある

LEDビジョンは精密電子機器であるため、故障リスクをゼロにすることはできません。とくに、一部のLED素子の不点灯(ドット抜け)や、色味の変化などが発生する可能性があります。

搬入出時の衝撃や、高温多湿環境での長時間使用、電源の不安定さなどが故障のおもな原因となります。屋外での使用時には、厳しい天候条件や環境によるダメージを考慮し、適切な防水・防塵・耐熱・耐寒性能の製品を選ぶことが大切です。

このようなリスクに対して、予備パネルの準備や定期的な点検、適切な保管方法の徹底などの対策が欠かせません。故障時の代替プランも含めて、クライアントと事前に協議しておくと安心です。

デメリット②利用対象エリアが限定される場合がある

LEDビジョンの設置には、各自治体の条例や規制による制限を受ける場合があります。とくに景観保護地区や住宅密集地では、大型ディスプレイの設置が認められないケースが多くあります。また、明るさによる光害の問題から、夜間の使用時間や輝度に制限が設けられることも。

商業地域であっても、道路に面した場所では、ドライバーの注意をそらすおそれがあるとして、動画表示が禁止される場合もあります。イベント企画の段階で会場となる地域の規制を調査し、必要な許可申請を行う時間も考慮したスケジュール管理が求められます。

デメリット③保証期間が短い場合がある

LEDビジョンの保証期間は、メーカーや販売店によって大きく異なり、1年から3年程度が一般的です。高額な機材であるにもかかわらず、家電製品と同程度の保証期間しかない場合もあります。

保証内容は販売会社によって異なり、故障した箇所の交換が可能である一方で、一部の故障条件や設置・運搬時の破損が保証対象となるかは確認が必要です。長期的な使用を考える場合は、延長保証の購入や、メンテナンス契約の締結を検討しましょう。初期投資だけでなく、維持管理コストも含めた総合的な判断が重要です。

LEDビジョンに関する法令

LEDビジョンを、とくに屋外へ設置する際は、安全の確保や景観の保全のため、さまざまな法令を順守することが不可欠です。知らずに設置を進めると、あとから行政指導や撤去命令を受ける可能性も。

ここでは、計画段階で必ず確認すべき4つの法令や規制について解説します。

  • 屋外広告物条例
  • 景観条例
  • 工作物確認申請
  • そのほか

これらの法令を事前に理解し、適切な手続きを行うことが、トラブルのない導入につながります。

屋外広告物条例

屋外広告物条例は、LEDビジョンの設置においてもっとも基本的な規制です。各自治体により、設置可能なサイズや高さ、設置場所、輝度の上限などが細かく定められています。

とくに注意すべきは、住宅地域や歴史的地域での規制です。これらのエリアでは、明るさや動画表示に厳しい制限があり、場合によっては設置自体が認められないことも。また、交通安全の観点から、道路に面した場所では動画コンテンツの再生が禁止されることも多いため、事前確認が欠かせません。企画段階で開催地の条例を確認し、許可申請に必要な期間(自治体や案件により異なる)も考慮したスケジュール管理が重要です。

景観条例

景観条例は、LEDビジョンが周辺環境の美観を損なわないようにするための規制です。ビジョンの外観やデザイン・色彩・明るさなどが、既存の建物や風景と調和することが求められます。観光地や歴史的建造物の周辺では、とくに厳格な規制が適用されます。

たとえば、京都や鎌倉などでは、派手な色使いや過度な明るさは認められず、落ち着いたデザインが要求される場合も。設置期間が短期間のイベントであっても、景観への配慮は必須です。申請時には、設置イメージを示すフォトモンタージュや、周辺環境への影響評価書の提出が求められることもあります。そのため、準備には十分な時間を確保しなければなりません。

工作物確認申請

工作物確認申請は、高さ4mを超えるLEDビジョンを設置する際に必要な手続きです。この申請では、構造計算書や設計図面を提出し、安全性の審査を受けなければなりません。申請プロセスは、計画立案と申請書提出、審査・承認という流れで進みます。

審査では、耐風圧性能や基礎の強度、電気設備の安全性などをチェック。屋外設置の場合、強風や積雪など地域の気象条件に耐えうる構造設計と安全対策が求められます。承認までの期間はプロジェクトの複雑さや自治体によって異なるため、十分に余裕を持って申請準備を始めることが重要です。また、設置後も完了検査が必要となる場合があることも覚えておきましょう。

そのほか

LEDビジョンの設置には、上記以外にもさまざまな規制や手続きが関わってきます。電力供給については、大型ビジョンの場合、特別な配電設備が必要となることがあり、電力会社との事前協議が必要です。

騒音規制も重要で、冷却ファンの音が周辺に影響を与えないよう、設置場所や向きに対して配慮しなければなりません。また、イベント終了後の廃棄物処理や、万が一の事故に備えた保険加入も検討すべき事項です。さらに、設置場所に隣接する土地所有者との協議も忘れてはいけません。事前に説明を行い、理解を得ることで、当日のトラブルを避けられます。

LEDビジョンを設定するまでの流れ

LEDビジョンの導入は、問い合わせから設置完了まで、通常3ヶ月前後が目安です。しかし、プロジェクトの規模や複雑さによって、数ヶ月から1年以上かかる場合があります。

まず、イベントの規模や会場条件を伝えて概算見積もりを取得し、現地調査で詳細な設置計画を策定。その後、各種法令の確認と申請手続きを進めながら、正式な見積もりと契約を行います。発注後は、機材の製造または手配に通常2~3ヶ月程度、場合によってはそれ以上かかるかもしれません。

設置工事は規模によりますが、比較的短期間で完了し、試運転とスタッフへの操作説明を経て、本番での運用開始となります。各段階での確認事項を明確にし、余裕を持ったスケジュール管理が大切です。

まとめ

LEDビジョンは、高輝度で鮮明な映像表現と設置の柔軟性により、イベント演出に欠かせない機材となっています。導入時には各種法令への対応や、メリット・デメリットを踏まえた計画的な準備が重要です。

レンタルビジョン.comでは、2.6mmピッチの高精細なLEDビジョンを低価格でレンタル提供しています。1日だけの利用から展示会での複数日利用まで、LEDビジョン本体・設置撤去・運送費をすべて含んだコミコミ価格のパックをご用意しております。設営日やリハーサル日の機材費は不要です。

初めての方でも、スタッフが運搬から設営まで対応し、ご希望により会場での常駐管理も可能なため、安心してご利用いただけます。全国どこでも対応可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。

監修者
木下 大輔

<役職>キノテック株式会社 代表取締役

<経歴> 大学卒業後、三菱電機子会社でLEDビジョンのレンタル・運営業務に従事。 その後、技術取締役として映像技術会社を経て2020年にキノテック株式会社設立。