街を歩いていると、さまざまな画像や動画が映し出されている大きな広告パネルを目にすることがあります。企業でPR活動を行う際、自社のイベントで使えたら…と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、あの大きな広告パネル=LEDビジョンとはどのようなものか、その仕組みや設置の仕方、その他のディスプレイとの違いを解説します。

LEDビジョンとは

LEDビジョンは、デジタルサイネージと呼ばれる電子看板のひとつです。完全フルカラーで映像を表現できることと、光量があるため屋外や明るい場所でも使えるのが特徴です。

LEDビジョンの仕組み

LEDは発光ダイオードとも呼ばれる半導体素子です。 その半導体素子を、制御回路を搭載して1つのユニットとして取り扱えるようにまとめたものをモジュール と呼び、モジュールが組み合わさったものがLEDビジョンです。

LEDとは

LEDとは「Light Emitting Diode」の略称で「発光ダイオード」とも呼ばれる半導体素子です。1993年に高輝度の青色LEDが実用化されたのをきっかけに白色LEDが実現して、日常生活でLED照明の普及が進むようになりました。一般的な電球よりも強い光を放つのが特徴です。

ピッチサイズ

ピッチサイズとは、LED素子が並ぶ間隔のことを示します。LEDピッチが細かければ細かいほど近くで見ても滑らかな画面になります。どんな映像を流すのか、どのくらいの距離から見るのかなどによって、おすすめのピッチサイズは異なります。

輝度

輝度とは、LEDビジョンの明るさを示す数値です。数値が高ければ高いほどLEDビジョンが明るくなります。輝度の単位はcd/m²(カンデラ平方メートル)です。

屋外型LEDディスプレイの明るさは4,000cd/m²から6,000cd/m²です。液晶ディスプレイの平均的な明るさは700cd/m²から2000cd/m²程度なので、かなり明るいことがわかります。

映像配信機器や音響との接続

LEDビジョンには、映像配信機器を繋ぐためのコントローラーが接続されており、HDMI端子やDVI端子があります。PCでも、DVDプレイヤーでも、端子さえ対応していればなんでも接続できます。インターネットに接続したPCを繋げば、外部のPCから配信する画像を編集することができ、その時々に合わせて配信内容を変えていくこともできます。

また、音響は、別途スピーカーやアンプを接続することで対応できます。

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LEDビジョンの設置例

屋外イベントでの設置例としては、横浜消防出初式や埼玉西武ライオンズ ファンミーティングがあります。

常設のLEDビジョンとしては、東京・渋谷のスクランブルスクエアの大型ビジョンや、東京・新宿のサザンテラスの裸眼3D対応のもの、大阪・梅田のメトロビジョンの大型ビジョンなどが挙げられます。

交通量の多いところに設置することで、多くの人の目を惹き、高い広告効果が得られます

珍しいところでは、アドトラックもLEDビジョンを利用しています。

LEDビジョンとほかのディスプレイとの違い

ここでは、LEDビジョンを液晶ディスプレイ、デジタルサイネージと比較します。それぞれに向き不向きがあるので、目的・用途に合わせて何を使うか選ぶことをおすすめします。

液晶ディスプレイとの違い

液晶ディスプレイは、2枚の透明電極付きガラス基板で挟んだ液晶層に電圧をかけたりやめたりすることで、光を遮断したり通したりし、電圧の強さを変えることで、光の量を調節します。このような仕組み(液晶素子)を並べて、後ろから光をあてて、映像を表示させます。それに対してLEDビジョンはLED素子自体が光を放出するので、液晶ディスプレイよりも画面が明るいです。

一方、液晶ディスプレイの解像度はフルHD(1920×1080)に対応しているものが多いですが、LEDビジョンでこの解像度を実現するには高額な費用がかかります。

デジタルサイネージとの違い

デジタルサイネージとは、駅や店舗、施設、オフィスなどに、ディスプレイやプロジェクターなどの映像表示装置を設置して情報を発信するシステムです。サイネージとは、看板や標識を意味する英語です。

広義にはLEDビジョンもデジタルサイネージの一種ですが、狭義にはデジタルサイネージとは、駅の柱の広告や交通案内など、比較的近距離で見られるものを指します。こういったパネルは、ガラスやフィルターの奥にあるため、明るさではLEDビジョンが、画面の滑らかさではデジタルサイネージが勝るでしょう。

LEDビジョンの5つのメリット

LEDビジョンを採用するメリットを5つご紹介します。

屋外でも映像を鮮明に映せる

LEDビジョンは画面が非常に明るいため、屋外でも映像を鮮明に映せます。そのため、野外でのイベントなどにはおすすめです。

サイズを柔軟に変えられる

LEDビジョンは、モジュールの組み合わせなので、サイズを柔軟に変えることができます。また、LEDビジョンにはベゼル(外枠)がないため、複数組み合わせても連結部にベゼルラインが出ない点もメリットです。

防塵・防水設計で設置場所を選ばない

LEDビジョンは屋外で使うことを前提とされているため、防水、防塵加工されている製品も多いです。中には塩水に対する加工処理をしている製品もあるので、海水浴場などでのイベントにも対応できます。

電気代を節約できる

LEDを使用した製品は消費電力が少ないことで知られていますが、LEDビジョンも同様です。同じくらいの大きさ、明るさを他のディスプレイで補おうとすれば、かなりの電気代がかかります。

耐久性が高い

LEDビジョンを「看板」として計上する場合、法定耐用年数は3年となります。これは税計算の際に必要となるため、便宜上定められているだけで、3年を過ぎて使っていても問題はありません。実際には、LEDの寿命は4〜5万時間と言われているため、1日24時間LEDビジョンを稼働すると、5〜6年程度が耐用年数となります。

LEDビジョンに関する法令

LEDビジョンを設置するには、さまざまな法律に違反しないように注意が必要です。

法令名内容
景観法景観計画を定める組織となる景観行政団体、景観計画の作り方、景観条例などが定められています。
屋外広告物法屋外広告物の定義や、各自治体が屋外広告物に関する規制を制定する際の基準を定めています。
道路交通法道路交通法では、屋外広告物を信号や標識の近くに設置することを禁止しています。
道路法道路法においても、道路の安全を守るため、屋外広告仏を道路に直接設置できないことが定められています。
建築基準法重たい看板類の落下による事故を防ぐため、設置場所が地上4mを越える場合は工作物申請が必要です。

LEDビジョンを設定するまでの流れ

LEDビジョンを設置する手順は、以下の通りです。

  1. ヒヤリング・現状調査
  2. 企画
  3. 施工

まず、クライアントのニーズを把握し、本当にLEDビジョンが適切な方法なのか検討します。また、設置場所によっては思うように設置できない場合もあるので、現地へ赴き、調査をすることもあります。

ヒヤリングの結果を元にして具体的な導入計画を検討します。クライアントの予算や期待する効果に合わせてLEDビジョンの詳細が決められます。

企画が通ったら、施工になります。設置したら終わりではなく、品質管理と定期的な点検も重要な任務となります。

関連記事:LEDビジョンの選び方とは?観点や基本的な特徴を解説

LEDビジョンを活用してイベントを成功させよう!

LEDビジョンの仕組みや設置の仕方、その他のディスプレイとの違いについて解説してきました。広い屋外でのイベントには、LEDビジョンの活用がおすすめです。
LEDビジョンのレンタルをお考えでしたら、是非レンタルビジョンにご相談ください。

LEDビジョンのレンタルならレンタルビジョン

監修者
木下 大輔

<役職>キノテック株式会社 代表取締役

<経歴> 大学卒業後、三菱電機子会社でLEDビジョンのレンタル・運営業務に従事。 その後、技術取締役として映像技術会社を経て2020年にキノテック株式会社設立。