近年、LEDビジョン広告への注目が高まりつつあります。実際、街中でも多くのLEDビジョン広告を見かけるようになりました。
この記事では、LEDビジョン広告の導入例や、導入のメリット、導入する際の注意点についてお伝えします。
LEDビジョンとは
LEDビジョンはデジタルサイネージと呼ばれる電子看板のひとつです。
発光ダイオードであるLEDを搭載するディスプレイの中でも、特に大型のものをLEDビジョンといいます。
完全フルカラーで映像を表現でき、非常に光量が大きいので屋外や明るい場所でも使えるのが特徴です。
LEDビジョンの仕組み
LEDは発光ダイオードとも呼ばれる半導体素子です。 その半導体素子に制御回路を搭載して1つのユニットとして取り扱えるようにまとめたものをモジュール と呼び、モジュールが組み合わさったものがLEDビジョンです。
赤、緑、青の三原色のLEDを組み合わせることによって、さまざまな色を生成します。どのような色も基本的には光の三原色の組み合わせによって表現し、白はR、G、Bを最大輝度で点灯することで、黒はLEDを消灯することで表現します。
周りにベゼル(枠)がないため、何枚でもつなげて境目のない大きな画面にすることができます。
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設置までの流れ
LEDビジョン設置の流れは次の通りです。
- ヒヤリング・現状調査
- 企画
- 施工
まず、クライアントのニーズを把握し、本当にLEDビジョンが最善の選択なのか検討します。場所によってはイメージ通りに設置できない場合もあるので、現地へ出向いて調査をします。
LEDビジョン導入に決まれば、次は具体的な計画の検討です。クライアントの予算や期待する効果に合わせてLEDビジョンの詳細が決められます。
企画が通ったら、施工です。LEDビジョンは設置したら終わりではありません。メンテナンスやアフターケアも重要な任務となります。
LEDビジョン広告の導入例
LEDビジョン広告は導入しやすく、視覚的効果が高いため、さまざまなところに導入されています。
スタジアムや競技場
スタジアムや競技場では、LEDビジョンの遠くからでもよく見える、屋外でもよく見えるというメリットが存分に生かされます。
単発の例では名古屋グランパスエイトがauデーのイベントでスタジアムにLEDバナーを掲出した事例があります。
また、楽天Koboスタジアム宮城には常設LEDビジョンが、東京ドームにも国内スタジアムでは最大規模のフルカラーLEDビジョンが導入されました。
ビジョンを効果的に使うことで、選手の登場を知らせたり、試合経過を表示したり、応援合戦を盛り上げたりと、広い会場だからこそわかりづらい情報を的確に観客へ届けることができます。
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駅をはじめとする公共施設
近年、駅コンコースの柱を活用してLEDビジョン広告を掲出するケースが増えています。同じ画面が何枚も続く光景は圧巻です。
また、公共施設では、催し物の案内や、施設の利用案内、防災情報などをLEDビジョンで表示しています。タイムリーに利用者に情報が伝わり、更新も簡単な点が運営側のメリットです。
また、新宿駅(東京都)の東西通路は45.6mという非常に大きなLEDビジョンが通路の左右に設けられ、通行者に視覚的なインパクトを与えています。同じ新宿駅の南改札内のコンコースは、全面的に没入感のあるメディア空間にリニューアルされました。ここでもLEDビジョンが大きく貢献しています。
移動する車両内
移動する車両の中でも、LEDビジョンが使われています。
画面自体は小さいですが、次の駅を表示したり、遅延情報や路線図を表示したり、広告を流したりしており、乗客の注目度は高いです。ネットワーク上のPCから表示する情報を更新することができるので、電車の遅延情報などをすぐに反映させることができます。
以前主流だった電光掲示板では、事前に決められた情報しか流せないため、遅延情報などは車掌からのアナウンスのみになってしまいます。LEDビジョンに視覚情報として掲載されることによって、視覚からも聴覚からも訴えることができ、より便利になっています。
大学や企業のエントランス
大学や企業のエントランスでも、LEDビジョンやデジタルサイネージが多く使われるようになりました。
大学では、以前は掲示板に掲示していた休講情報や学生の呼び出し、教室の変更などの情報を表示しています。掲示板であれば、張り替えに行かなくてはならなかったところを、事務室のPCから情報を更新できるので、作業が楽です。また、紙を使わないので、節約にもなります。
企業のエントランスでは、自社イメージに合うような画像を流したり、自社製品の広告を流したりすることで、来社した人に、自社イメージを効果的に見せることができます。表示する内容は、PCで簡単に変更できるので、その時々に合った情報を見せることが可能です。
大型の商業施設
大型の商業施設でも、LEDビジョンは使われています。
大型ディスプレイでは、各テナントの広告を流したり、イベントのお知らせを流したりすることで、より効果的に宣伝活動をすることが可能です。また、イベント開催時には、イベントに沿った内容のデータを流すこともできます。
また、タッチパネル型のデジタルサイネージを使って飲食店の混雑情報を検索できるようにしたり、店内案内を拡大して見られるようにしたりして、広い店内でも消費者が困らない仕掛けが作られています。
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LEDビジョン広告の5つのメリット
LEDビジョンやデジタルサイネージは、私たちの生活の至る所に浸透していることがわかりました。それというのも、LEDビジョンを活用した広告にはメリットが多いからです。ここでは、LEDビジョン広告のメリットを5つご紹介します。
メリット①明るいため効果的に訴求できる
最初のメリットは、明るいため効果的に訴求できることです。
画面が明るいので、目に入りやすく、視認効果が高いです。何が宣伝されているのかわかりやすいので、効果的に訴求することができます。
メリット②広告の内容をすぐに変更できる
2つ目のメリットは、広告の内容をすぐに変更できることです。
LEDビジョンは、離れた場所にあるPCからでもネットワークを通じて表示内容を変更することができます。例えばセールをやるのでセールの情報に変える、新商品が出たので新商品の情報を流す、といった場合にも、LEDビジョンに表示するデータを作成して更新するだけなので、広告の内容をすぐに変更することができます。
このスピード感はLEDビジョンならではで、印刷物を貼り出す形の広告には真似できません。
メリット③場所を選ばす設置できる
3つ目のメリットは、場所を選ばず設置できることです。
例えばプロジェクターは、距離のあるスクリーンに画像を映し出すため、人通りの多いところなどには設置が難しいです。しかし、LEDビジョンであれば、LEDパネルは薄くてパネル自体に映像が流れるので、場所を選ばずに設置することができます。
メリット④消費電力が少ない
4つ目のメリットは、消費電力が少ないことです。
LED電球がだいぶ普及しているため、LEDは節電効果が高いとご存知の方も多いでしょう。節電効果の高さは、LEDパネルも同じことです。消費電力が少なくてすむということは、ランニングコストも低くなるということであり、長期的に広告媒体として使うのにも向いています。
メリット⑤耐用年数が長い
5つ目のメリットは、耐用年数が長いことです。
LEDビジョンを「看板」として計上する場合、法定耐用年数は3年となります。これはあくまでも「法定」であり、税計算の際に必要となるため、便宜上定められているだけです。3年を過ぎて同じLEDビジョンを使っていても問題はありません。
実際には、LEDの寿命は4〜5万時間と言われているため、1日24時間LEDビジョンを稼働すると、5〜6年程度が耐用年数となります。
液晶ディスプレイの場合、メーカーやモデルによっても異なりますが、寿命は約 1 万 5,000 時間から3 万時間程度が目安とされています。 LEDビジョンの半分ですから、LEDビジョンがいかに耐用年数が長いか、お分かりいただけるのではないでしょうか。
LEDビジョン広告は自社で運用すべき?
LEDビジョン広告は、自社で運用するのと、他社に運用までお願いするの、どちらがよいでしょうか。自社運用と他社運用では、以下のような違いがあります。
自社運用 | 他社運用 | |
設置 | LEDビジョン業者から購入の手配を自社担当者が行う | 運用会社に依頼する |
広告データ | 自社で作成 | 自社で作成してデータを渡す場合と、イメージを伝えてデザイナーに作成を依頼する場合がある。 |
トラブル対応 | 自社担当者が、LEDビジョンメーカーに連絡し、対応してもらう | 運用会社担当者が手配 |
どうしてもコストを抑えたいという場合は、自社運用でもよいでしょう。そうでなければ、運用ノウハウを持っている専門の会社に依頼した方が、いろいろと楽な面は多いです。
LEDビジョン広告を導入する際の注意点
LEDビジョン広告を導入する際には、以下の点に注意しましょう。
耐用年数
先にも述べたように、LEDビジョンの耐用年数は5〜6年程度とされています。
導入を検討しているLEDビジョンが具体的に決まっていれば、メーカーに問い合わせてみるとより正確です。
また、セットトップボックス(LEDビジョンに、PCやDVDプレイヤーなどを繋ぐ端子のついた機器)の寿命も5年程度だと言われています。5年程度で買い替える必要があるということを念頭に置いておきましょう。
LEDビジョンは精密機器ですので、定期的にメンテナンスをし、何か問題が起きた場合には早いうちに対処しましょう。
消費電力
続いて消費電力についてです。いくらLEDの消費電力が低いとはいえ、LEDビジョンはかなり大型のものも多く、それなりに電力を消費します。
ランニングコストにも関わってくるものなので、導入を検討しているLEDビジョンの消費電力はどれくらいなのか、事前に確認しておきましょう。
重量
重量についても、設置予定の場所が、設置したいサイズの重量に耐えられるかどうか、事前に確認しておきましょう。
LEDビジョンは、ディスプレイ類の中では比較的軽量ではありますが、やはりサイズが大きくなればなるほど重くなります。
また、LEDビジョンを高い位置に設置したい、というケースも多いです。高い位置に設置する場合には、落下対策を十分にしておかないと、大変な事故を起こしかねません。
屋内型か屋外型か
屋内に設置するのか、屋外に設置するのかで、検討すべきタイプの商品が違ってきます。
屋外に設置する場合には、防水・防塵機能がついていることはもちろん、昼間の明るい光の中でも見える必要があるため、より光量が大きい製品が必要になります。「屋外用」とされているLEDビジョンが、「屋内用」とされているものより高価なのはこのためです。
屋外に屋内用LEDビジョンを設置すると、故障の元となりますので、検討している商品が、設置しようとしている場所に合っているかどうかもきちんと確認しましょう。
屋外にLEDビジョン広告を設置する際に把握しておくべき法令
屋外にLEDビジョン広告を設置する場合には、以下の法令に注意しましょう。
景観条例
ひとつ目は、景観条例です。景観条例とは、街や自然の景観を保持するために定められている条例です。
観光地などで、コンビニエンスストアやファミリーレストランの看板の色が通常と違ったりしているのも、景観条例の適用を受けている例です。同様に、広告のデザインに制限があったり、広告を出してはいけないとされているエリアがあったりします。
LEDビジョンを出そうとしているところが、景観条例に抵触しないか、事前に確認しましょう。
道路交通法
道路交通法では、安全な運転の妨げになるようなものを道路に設置することを禁じています。よって、LEDビジョンを道路に面したところに直接設置することができません。
道路に面して設置したい場合には、道路交通法に抵触しないような工夫が必要です。
工作物確認申請
建築基準法によって、重たい看板類の落下による事故を防ぐため、設置場所が地上4mを越える場合は「工作物申請」が必要と定められています。高いところに設置する場合には、注意しましょう。
屋外広告物条例
屋外広告物条例は、国土交通省の屋外広告物法に基づき、各自治体が屋外広告物に関する規制を制定する際の基準を定めています。
設置しようとしているLEDビジョンのサイズ等が屋外広告物条例に抵触しないか、確認しましょう。
LEDビジョン広告で効果的に訴求しよう!
ここまで、LEDビジョン広告の導入例や、導入のメリット、導入する際の注意点についてみてきました。
LEDビジョン広告には、訴求力が高い、広告内容の変更が簡単、場所を選ばない、ランニングコストが安いなどのメリットがあることがわかりました。
是非、LEDビジョン広告を使って、タイムリーでキャッチーな広告を出してみませんか。LEDビジョンのレンタルをお考えでしたら、是非レンタルビジョンにご相談ください。
<役職>キノテック株式会社 代表取締役
<経歴> 大学卒業後、三菱電機子会社でLEDビジョンのレンタル・運営業務に従事。 その後、技術取締役として映像技術会社を経て2020年にキノテック株式会社設立。