展示会の準備を任されたものの、何から手をつければよいか迷っていませんか?初めての担当であれば基本的な流れが分からず不安になりますし、経験があっても毎回バタバタしてしまうことが多いものです。
この記事では、展示会準備に必要なスケジュールと、準備すべきものを時系列で解説します。ぜひ、計画的に展示会の準備を進めていきましょう。
腕章やネクストラップ
スタッフの識別アイテムは、来場者が安心して相談できる環境作りに欠かせません。統一感のある腕章やネクストラップの着用で、チームの一体感も演出できます。役割別に色分けすると、スタッフ間の連携もスムーズになるでしょう。
予備も含めて人数分より多めに用意し、汚れや紛失に備えます。名前入りの名札も併用すると、来場者とのコミュニケーションが取りやすくなります。デザインは企業カラーを生かし、遠くからでも認識できる視認性の高いものを選びましょう。
来場者アンケート
アンケートの質問項目は簡潔にまとめ、3分程度で回答できる内容がおすすめ。基本情報(社名や部署・連絡先)に加え、興味のある製品や導入時期なども確認します。回答しやすいよう、選択式の設問を中心に構成することが大切です。
記入用のボールペンやバインダーも十分に用意し、立ったままでも書きやすい環境を整えます。回収したアンケートを整理するクリアファイルも準備しておきましょう。アンケート回答者への特典を用意することで、回収率の向上が期待できます。
運営マニュアル
当日の運営を円滑に進めるため、タイムスケジュールや役割分担表、緊急連絡先などを明記しておきましょう。接客時のトークスクリプトや、よくある質問への回答例も含めると実用的です。機材の操作方法は図解を入れて分かりやすく説明し、誰でも対応できるものにすると安心です。
トラブル対応のフローチャートも作成し、冷静に対処できる体制を整えます。マニュアルは全スタッフに配布し、事前に読み込んでもらうことが有用です。当日用の簡易版も作成すると、現場での確認が容易になり、統一感のある運営が実現できます。
展示会の準備をスムーズに進めるためのポイント
計画どおりに準備を進めるだけでなく、いくつかのコツを意識することが展示会成功の確率を高めます。
ここでは、展示会の準備を円滑に進めるための6つのポイントを紹介します。
- 準備のスケジュールや手順を全員で共有する
- 小さな目標を設定しながら進捗を管理する
- やるべき作業を一覧にして整理する
- 展示+L5会に関する理解度を深める機会を設ける
- 担当業務を明確に分担する
- 展示会の失敗例を事前に確認する
これらのポイントを実践し、チーム一丸となって準備を進めていきましょう。
準備のスケジュールや手順を全員で共有する
展示会準備の第一歩は、プロジェクトメンバー全員での情報共有です。全体のスケジュールを可視化し、各フェーズでの作業内容を明確にすることで、チーム全体が同じ方向を向いて動けるようになります。クラウド上の共有カレンダーやプロジェクト管理ツールを活用し、誰もがリアルタイムで進捗を確認できる環境を整えましょう。
週次ミーティングを設定し、進捗報告と次週の予定確認を行うことも有用です。とくに外部協力会社との連携が必要な場合は、早い段階でスケジュールを共有し、認識のズレを防ぎます。
小さな目標を設定しながら進捗を管理する
長期間にわたる展示会準備では、マイルストーンの設定が成功の鍵となります。最終ゴールまでの道のりを細分化し、2週間単位での達成目標を設定することで、着実な進捗管理が可能です。たとえば「月末までにブースデザイン確定」という目標を、「第1週:コンセプト案3案作成」「第2週:クライアント提案と修正」といった具合に分解します。
各目標に対して達成度を数値化し、遅れが生じた場合は早期にリカバリー策を講じましょう。目標達成時には小さな成功体験として共有し、チームのモチベーション維持にもつなげます。
やるべき作業を一覧にして整理する
展示会準備に必要な作業は多岐にわたるため、タスクの一覧化と優先順位付けが欠かせません。まず全体のタスクを洗い出し、「必須タスク」「推奨タスク」「余裕があれば実施」の3段階に分類します。各タスクには担当者と期限を明記し、依存関係も含めて整理しましょう。
定期的にタスクリストを見直し、新たに発生した作業や変更点を随時反映させることが大切です。とくにLEDビジョンなどの機材手配は、リードタイムを考慮した早めの対応が必要となります。
展示会に関する理解度を深める機会を設ける
スタッフ全員が展示会の目的や意義を理解することで、準備作業の質が向上します。事前勉強会を開催し、展示会の基本知識や業界動向、競合他社の出展状況などを共有しましょう。過去の成功事例や失敗事例を題材にした、ケーススタディも効果的です。
可能であれば、ほかの展示会を視察する機会を設け、実際の雰囲気や運営方法を体感してもらいましょう。外部セミナーや、展示会主催者が実施する説明会への参加もおすすめです。
担当業務を明確に分担する
効率的な準備進行には、明確な役割分担が不可欠です。プロジェクトリーダーを中心に、デザイン担当、機材担当、広報担当など、各分野の責任者を任命します。各担当者の権限と責任範囲を文書化し、意思決定のプロセスも明確にしておきましょう。
複数案件を抱える場合は、案件ごとのチーム編成も検討が必要です。定期的に役割の見直しを行い、負荷が集中している担当者がいれば適切に再配分します。緊急時のバックアップ体制も決めておき、担当者不在時でも業務が滞らないようにすることが大切です。
展示会の失敗例を事前に確認する
過去の失敗事例から学ぶことは、リスク回避の最良の方法です。「搬入時間の見積もりが甘く設営が間に合わなかった」「電源容量不足で機材が動かなかった」など、よくある失敗パターンをリスト化しましょう。業界団体の情報交換会やSNSでの体験談も貴重な情報源となります。
とくに初めて使用する会場や機材については、過去のトラブル事例を入念に調査することが賢明です。失敗要因を分析し、それぞれに対する予防策を準備段階で組み込みます。失敗例の共有により、同じ過ちを繰り返さない体制構築が可能となります。
関連記事:展示会を成功させるには?ポイントを準備段階別に紹介
展示会の準備における注意点
展示会の準備を万全に進めるためには、とくに気をつけるべきいくつかの注意点があります。
ここでは、以下3つの注意点を説明します。
- 注意点①予算を慎重に決める
- 注意点②展示会出展の目標を明確にする
- 注意点③装飾を工夫する
これらのポイントを押さえることが、展示会成功の土台となります。
注意点①予算を慎重に決める
展示会の予算設定は、成功の土台となる最重要事項です。出展料だけでなく、ブース装飾費や機材レンタル費、人件費・配送費など、多岐にわたる費用項目を漏れなく積算する必要があります。過去の実績データを参考に、想定外の出費に備えて全体予算の5〜15%を予備費として確保しましょう。
クライアント案件の場合は、初期見積もり段階で詳細な内訳を提示し、追加費用が発生する可能性も明記することが大切です。とくにLEDビジョンなどの高額機材を使用する際は、レンタルと購入のコスト比較も実施します。
注意点②展示会出展の目標を明確にする
曖昧な目標設定は、準備の方向性を見失う原因となります。「新規顧客獲得100社」「商談アポイント30件」など、具体的な数値目標を設定することが重要です。定性的な目標もあわせて設定し、「業界内での認知度向上」「新製品の市場反応調査」といった目的も明文化しましょう。
目標は関係者全員で共有し、それぞれの行動指針として活用します。達成度を測る指標(KPI)も事前に決定し、会期中や終了後の評価基準を明確にすることが大切です。イベント会社としては、クライアントの目標達成をサポートする提案も積極的に行いましょう。
注意点③装飾を工夫する
限られた予算内で最大限の効果を出すため、メリハリのある装飾計画が求められます。遠方からの視認性を高める大型バナーと、近距離での訴求力を持つ展示什器をバランスよく配置しましょう。LEDビジョンを活用する場合は、静止画だけでなく動画コンテンツも準備し、動きのある演出で注目を集めることが効果的です。
照明計画では、スポットライトやLED照明を使って展示品を引き立てる工夫が必要です。競合他社との差別化を意識しながら、企業イメージに合った統一感のある装飾を心がけることで、記憶に残るブース作りが実現できます。
関連記事:イベントを盛り上げるLEDビジョンとは?導入事例も紹介
まとめ
展示会準備は長期間にわたる計画的な進行管理と、多岐にわたる準備項目への対応が求められます。とくにLEDビジョンなどの映像機材を活用する場合は、専門的な知識と経験が必要です。
レンタルビジョン.comは、高品質なLEDビジョンのレンタルや、運搬・設営からイベント会場での管理・監視まで一貫したサポートを提供しています。展示会パックなら、本体・設置撤去・運送費がコミコミ価格でご利用いただけます。展示会準備でお困りの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

<役職>キノテック株式会社 代表取締役
<経歴> 大学卒業後、三菱電機子会社でLEDビジョンのレンタル・運営業務に従事。 その後、技術取締役として映像技術会社を経て2020年にキノテック株式会社設立。
