音楽フェスや運動会など、屋外イベントで必要になるのが音響機材です。しかし屋内と屋外では音の響き方が大きく異なり、機材を用いる際はいくつかの注意点が存在します。

屋外イベントで参加者にクリアな音響を届けるためには、屋内との違いを知り、環境にあわせた機材を選ぶことが重要です。この記事では、屋外イベントで必要な音響機材や、必要な対策を詳しく解説します。

本記事を参考に最適な音響を実現し、屋外イベントを成功させましょう。

音響機材とは?

音響機材とは音を増幅したり、特定の方向に拡散させたりする機器の総称です。屋外イベントで音響機材を用いる際は、それぞれの役割を理解する必要があります。各機材の役割は、以下のとおりです。

音響機材各機材の役割
スピーカー音を増幅して聴衆に届ける
マイク声を拾ってミキサーに送る
アンプ電気信号を増幅し、スピーカーを駆動するための電力を供給する
ミキサー複数の音声信号を混合し、音量や音質を調整する

各機材ごとにもさまざまな種類があるため、屋外用に適した機材を選ぶことが大切です。

たとえば屋外用のイベントでマイクを用いる場合は、一般的にダイナミックマイクが適しています。ただしイベントによっては、司会者やプレゼンターが両手を自由に使えるようにヘッドセットを用意したり、録音が必要な場合は指向性のマイクを用いたりすることもあります。

また規模の大きな会場では、ステージ正面に設置して会場全体に音を広げるメインスピーカーに加え、音ムラを解消するサブスピーカーが必要です。イベントの特徴や会場の規模にあわせて、適切な機材を選ぶことがイベント成功の鍵となります。

屋外イベントの音が屋内と異なる点

屋外イベントで屋内と同じ音響機材を利用すると、適切に参加者へ音が届かない可能性があります。屋内と屋外では、下記の違いがある点を押さえておきましょう。

  • 反射音がない
  • 残響時間が長い
  • 周囲の音が干渉しやすい

それぞれ違いを把握し、屋外に適した音響設備を整えてください。

反射音がない

屋内では壁や床、天井などから音が跳ね返って聞こえる「反射音」が存在します。つまり屋内でのライブやイベントでは、スピーカーの音声と、反射音の両方を耳にしていることになります。

一方、屋外では音を遮るものがなく、反射音が少ないのが特徴です。音が拡散しやすいため、屋内と同じ出力では聴衆に音が届きません。会場の規模にもよりますが、屋外ではスピーカーの出力が少なくとも屋内の2倍は必要になります。

残響時間が長い

残響とは、原音が鳴り響いたあとに壁や床、天井などを反射して音が響き続ける現象のことです。音は障害物にぶつかるごとに吸収され、残響音は小さくなっていきます。

会場の形状によって異なりますが、一般的に屋外では壁や天井などの音を吸収するものが少ないため、残響時間が長くなる傾向です。空間的な広がりによって音に深みが生じ、リバーブがかかったような聞こえ方になります。

周囲の音が干渉しやすい

屋外では、人の声や風の音などのさまざまな音が発生するため、スピーカーの音に影響を与えやすいです。とくに風の影響は大きく、風向きや風速によって音の伝わり方が変化します。

また、風が強いとマイクを介した音声にウインドノイズと呼ばれる雑音が生じ、聴衆にストレスを与えるおそれがあります。マイクに風除け(ウインドスクリーン)を施したり、スピーカーの位置を工夫したりなど、会場の環境や天候に応じた対策が必要です。

屋外イベントで使う音響機材に必要な対策

屋外で音響機材を用いる際は、次の屋外特有の問題点に対処する必要があります。

  • 雨対策
  • 暑さ対策
  • 周囲に響く音の対策

それぞれの対策方法を確認しておきましょう。

関連記事:イベント開催までの準備の流れと用意しておくべきものを解説

雨対策

雨水は、音響機材の電気回路にショートを引き起こしたり、スピーカーユニットを破損させたりする可能性があります。屋根付きのステージであれば大きな影響はありませんが、高湿度環境もカビやサビの原因となり、機材の寿命を縮めるため注意しましょう。

レンタル機材の場合は、破損すると高い修理代金を請求されることもあります。屋外で使用する機材は防水性の高いものを選び、防滴カバーなどを用いて機材を保護すると安心です。

暑さ対策

高温は電子部品の劣化を加速させ、寿命を短縮させます。とくに音響機材で用いられる電解コンデンサーは温度上昇に弱く、容量が減少したり液漏れを起こしたりする可能性があるため、十分注意してください。

機材は直射日光のあたらない通気性のよい場所に設置し、冷却ファンを取り付けて熱暴走を防ぐなどの対策を取りましょう。

周囲に響く音の対策

近隣住民にとってイベントの音は騒音であり、苦情の原因となります。そのため、音漏れを防ぐ工夫を施し、周囲への音に配慮しなければなりません。

また環境省の所轄である「騒音規制法」では、規制対象ごとに異なる規制基準の指定地域を都道府県知事、市長・特別区長が指定することが定められています。音の大きさが基準値を上回ると罰則の対象になるため、十分注意が必要です。音漏れによって周辺住民に迷惑をかけてしまうと、その後の開催も困難となるでしょう。

音漏れ対策としては、スピーカー位置の工夫、音量の調整などがあげられます。会場の形状や周囲の環境によっても音漏れの程度は異なるため、状況にあわせた対策を実施しましょう。なおイベント会場によっては、遮音壁の設置などの防音対策が施されている場合もあります。

またイベント開催前に、近隣住民への周知を行うことも重要です。参加者だけでなく、周辺住民にとっても快適な空間を意識し、円滑なイベント運営を心がけてください。

まとめ

屋外イベントを成功させるためには会場の特徴を踏まえ、適切な設備を整えることが重要です。

また雨や暑さ、周囲への音漏れなど、屋外ならではの課題点も存在します。イベントを成功させるためにも、前もって入念な計画を立てておきましょう。

適切な対策を講じることで、参加者全員が快適に楽しめるイベントを実現できます。会場の音の響き方や周辺環境を考慮し、素敵な空間を作り上げてください。

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監修者
木下 大輔

<役職>キノテック株式会社 代表取締役

<経歴> 大学卒業後、三菱電機子会社でLEDビジョンのレンタル・運営業務に従事。 その後、技術取締役として映像技術会社を経て2020年にキノテック株式会社設立。